この記事では「Wi-Fiルーターの値段が変わると一体何が変わるのか?」を実機レビューしていきます!
ゲーミングWi-Fiルーターは、値段がピンキリです。
1万円台のルーターもあるし、8万円を超えるルーターもあります。
正直…何が違うの?
という方は多いはず。
なので今回、次の3台のゲーミングWi-FiルーターをASUSさんからお借りしました!
- 1つめ:1万円台のエントリーモデル
- 2つめ:ギリ4万円以下のミドルモデル
- 3つめ:8万円超えのハイエンドモデルスト
この3台のゲーミングWi-Fiルーターを使って、ルーターの値段が変わると一体何が変わるのかをガッツリレビューしていきます。
あわせて、良かった点・悪かった点も徹底解説していきます!
「Wi-Fiルーターの購入を検討している」
「快適なネット環境を手に入れたい」
という方は、ぜひとも最後まで記事をチェックしてみてください。
\Youtubeでも動画レビューしています/
検証するルーターの紹介
まずは今回の検証で使用するゲーミングWi-Fiルーターは、次の3つです。
- 実売価格18,000円の「TUF Gaming AX4200」
- 実売価格37,091円の「RT-AX86U PRO」
- 実売価格84,800円の「GT-AX11000 PRO」
(価格はいずれも記事執筆時点のものです)
一般的なWi-Fiルーターなら1万円前後で購入できるので、TUF Gaming AX4200は比較的手の届く価格帯ですよね?
それが・・・
37,091円のRT-AX86U PRO
84,800円のGT-AX11000 PRO
って感じで価格がインフレしていくと、途端に意味不明なゾーンに突入しますw
3製品のスペックの違いを確認
1万円で買えるWi-Fiルーターと8万円のWi-Fiルーターって、一体何が変わるの?
と気になったあなたに向けて、まずは簡単にスペックを比較していきます!
製品画像 | TUF Gaming AX4200 | RT-AX86U PRO | GT-AX11000 PRO |
---|---|---|---|
実売価格 | ¥18,000 | ¥37,091 | ¥84,800 |
対応規格 | WiFi 6(IEEE 802.11ax) | WiFi 6(IEEE 802.11ax) | WiFi 6(IEEE 802.11ax) |
バンド数 | 2(デュアルバンド) | 2(デュアルバンド) | 3(トライバンド) |
2.4GHz帯の速度 | 574 Mbps | 861 Mbps | 1148 Mbps |
5GHz帯の速度 | 3603 Mbps | 4804 Mbps | 4804 Mbps |
2.4GHz帯ストリーム数 | 2 | 3 | 4 |
5GHz帯のストリーム数 | 3 | 4 | 4 |
WAN | 2.5Gbps | 2.5Gbps(WAN/LAN)、1Gbps | 10Gbps(WAN/LAN)、2.5Gbps |
LAN | 1Gbps×4 | 1Gbps×4 | 1Gbps×4 |
IPv6 | 〇 | 〇 | 〇 |
NAS | USB端子x1 | USB端子x2 | USB端子x2 |
ゲーム機能 | Game Boost / Acceleration | Game Boost / Acceleration | Game Boost / Acceleration WTFast UU boost ROG_First OpenNAT (Game Profile) |
Amazonで見る | Amazonで見る | Amazonで見る |
※価格はいずれも記事執筆時点のものです
上の表は、3製品の性能を比較したものです。
赤文字が大きく性能が異なる項目になっています!
が・・・
ほぼほぼ赤文字でよく分からないですよね?
注目すべき性能は、次の3つです。
それぞれの性能について、サクッとみていきましょう!
無線性能の違い
まずは、無線性能の違いについて。
WI-Fiルーターを選ぶときに多くの方が参考にする値が、この無線性能です。
製品パッケージにも〇〇Mbpsって感じで、めちゃくちゃアピールされていますからね!
今回紹介する3つのルーターも、値段に応じて無線性能が大きく変わっています。
簡単に言うと、ルーターの値段が高くなればなるほど無線接続時の理論値上の最大速度がアップします。
- 2.4GHz帯の速度:574Mbps
- 5GHz帯の速度:3603Mbps
- 2.4GHz帯の速度:861Mbps
- 5GHz帯の速度:4804Mbps
- 2.4GHz帯の速度:1148Mbps
- 5GHz帯の速度:4804Mbps
数字だけで見たら、値段が高いルーターの方がめちゃくちゃ速い速度で通信できそうな雰囲気ですよね?
これが、意外とそうでもないんです!
のちほど、実機で検証したデータで解説します!
2.4GHz帯と5GHz帯の違い
2.4GHz帯と5GHz帯の違いはご存知ですか?
なんとなく分かっているような気がしますが、実は意外と中身を知ってる方が少ないです。
2.4GHz帯と5GHz帯の違いは、上の表のようになっています。
- 2.4GHz帯の通信は電波が遠くまで届くけど、通信速度が遅い
- 5GHz帯の通信は電波が遠くまで届きにくいけど、通信速度が速い
という感じで、互いに相反する性能を持っています。
2.4GHz帯と5GHz帯の違いについてものちほど実機で測定してますので、気になる方は記事の後半までスクロールして確認してみてください!
有線性能の違い
次は有線性能の違いについて。
ルーターの動画を投稿すると、
有線接続するならどのルーターでも一緒
というコメントをしていただける方がちらほらいらっしゃいます。
しかし厳密には「有線接続するならどのルーターでも一緒」ではないんです。
性能比較表のWANポートを見比べてください。
エントリーモデルだと2.5GbpsのWANポートしか搭載されていませんが、ハイエンドモデルだと10GbpsのWANポートを搭載しています。
これは、関東や一部の地方都市で導入されている超高速回線の10G回線プランに対応しています。
たとえばゲーミングPCの場合、めっちゃ良いグラボでもCPUがしょぼいと本来の性能が発揮できない「ボトルネック」と言われる現象があります。
WI-Fiルーターも同じ。
回線が10Gプランなどの日本最強レベルであっても、ルーターの性能がしょぼすぎると本来の性能が発揮できません。
これではせっかくの超高速回線が、全く意味のないことになってしまいます。
なので、有線接続でもルーターの性能で違いが出るのです。
ゲーム機能の違い
最後はゲーム機能の違いについて。
比較表を見比べてみると分かりますが、ハイエンドモデルのWI-Fiルーターはこれでもか!というほどにゲーム機能が盛り込まれています。
代表的なゲーム機能は次の2つになります。
- デバイス間の帯域幅の競合を防ぎデバイスの性能を最大限に引き出す「Gear Accelerator」
- ゲームアプリケーションの帯域を優先する「Game Boost」
このように、エントリーモデルやミドルモデルでもゲームに特化した必要最低限のモードはしっかり搭載されています。
それに加えてハイエンドモデルでは、以下の機能が追加されています!
- ゲームのプロファイルに応じてポートを開放しアクセス制限問題を解消する「OpenNAT」
- WTfast
とはいえ、APEXやValorantをプレイするだけならOpenNATは使わなくても良いし、WTfastはそもそも対応しているゲームが限定されています。
なので、あんまり使い勝手が良い機能って印象ではありませんでした。
実機を使って性能の違いをチェック
1万円のゲーミングWI-Fiルーターと8万円のゲーミングWI-Fiルーターのスペックが、どんな感じで違うのかは分かりましたよね!
でも、9割の方はまったくピンと来ていないはずw
なので、実際にどのぐらい性能が変わるのかを実測していきます。
これらを実機を使ってしっかり検証して、表やグラフにまとめました!
実際の無線性能を検証
まずは実際の無線性能の違いを検証しました。
一戸建ての自宅の2階で、こんな感じで3台のゲーミングWI-Fiルーターをセッティングして測定しました。
測定場所は、以下の合計4箇所です。
- 同じ部屋
- 隣の部屋
- 隣の隣の部屋
- 1階
測定方法はスマホの通信速度アプリを使用して1つの場所で3回ずつ測定を行い、平均値を算出しています。
それでは測定結果を見ていきましょう!
同じ部屋
まずはWI-Fiルーターを設置している部屋で、通信速度を測定しました。
とりあえず、めっちゃ速度を測定してるってことは伝わりましたよね?w
数値だけではイマイチ分かりづらいので、機種ごとに通信速度をグラフ化しました。
ここから分かることは2つ。
ひとつは、2.4GHz帯の無線通信はマジでショボすぎなこと。
もうひとつは、値段が高いほど速度が速い傾向にあること。
3つのルーターとも共通しているのが、2.4GHz帯の速度(赤)よりも5GHz帯の速度(緑)の方が圧倒的に速いことです。
もしも、今現在2.4GHz帯でネット接続している方は、今すぐ5GHz帯に変更してみてください。
めちゃくちゃ爆速になるはずです!
AX4200の2.4GHz帯ダウンロード速度だけ異常に早くなっているのは意味不明ですが…
無線接続の傾向としては、値段が高い方がスペックも上がっているので、速度も速くなっています。
とはいえ、WI-Fiルーターと同じ部屋で無線接続する場合は、エントリーモデルでも全然使えそうな感じでした!
隣の部屋
次は、WI-Fiルーターを設置した部屋の隣の部屋で通信速度を測定しました!
測定結果は上の表のようになりました。
結果をグラフ化したものが上記になります。
傾向としては、2.4GHz帯の無線通信はやっぱりショボすぎでした。
そして値段が高いほど速度が速い傾向という感じで、1回目の測定と同じ傾向になっていました。
それから当たり前ですが、Wi-Fiルーターの設置場所から離れることで全体的に速度が落ちているのが分かりますね。
隣の隣の部屋
それじゃあ、WI-Fiルーターを設置している部屋の隣の隣で測定したらどうなるんだ?ってことで、
測定した結果が上記の表です。
そして、上記がグラフ化したもの。
WI-Fiルーターと同じ部屋で測定した結果と比較してみると、だいぶ通信速度が低下してますね。
とりあえず、ここまでで言えることは「2.4GHz帯の無線通信はマジでゴミってますw」ということ。
2.4GHz帯のメリットは「遮蔽物に強く、電波が遠くまで届く」ってことらしいんですが・・・
Wi-Fiルーターを設置した部屋から離れると、全く使い物になりませんでした。
5GHz帯だけしか信用できません
1階
最後は、私の自宅で究極的に離れた場所である1階で測定してみます!
2階の私の部屋にWi-Fiルーターを設置して、1階の対角の部屋で測定した結果が上の表です。
そして、上記が測定結果をグラフ化したもの。
さすがに1階まで離れると、通信速度はガクッと下がりますね。
ザックリ6割程度は速度低下してます。
一番の気付きは、エントリーモデルであるTUF Gaming AX4200が4万円や8万円のルーターと速度比較してもそこそこ良い勝負だったこと!
わたしにとっては驚きの結果でした。
そりゃあハイエンドモデルは、2階と1階で測定しても安定して速い通信速度を保っています。
しかしそこまでのスペックを求めない方なら、エントリーモデルのゲーミングWi-Fiルーターでも全然ありかなって感じですね!
測定場所による通信速度の変化を検証
次は各Wi-Fiルーターに対して、測定場所によりどんな感じで通信速度が変化するのかをグラフ化しました!
まずはエントリーモデル「TUF Gaming AX4200」のグラフ。
次にミドルモデル「RT-AX86U PRO」のグラフ。
最後はハイエンドモデル「GT-AX11000 PRO」のグラフ。
当たり前ですが、測定場所が離れれば離れるほど通信速度が落ちていくのが分かりますね。
それでも最上位の8万円ルーターであるGT-AX11000 PROと比べて、1万円台のTUF Gaming AX4200がめっちゃ善戦しているのがとても印象的でした!
値段を比較すると約8倍の差があるのですが、通信速度の劣化具合を比較するとそこまで差がないという結果でした。
3台のゲーミングWi-Fiルーターを使って実際にゲームをプレイしてみた!
3つのゲーミングWi-Fiルーターを比較してきましたが、実際にゲームをプレイしてみないと使い心地は分かりません!
なので3台のゲーミングWi-Fiルーターを使って、有線接続でAPEXをプレイしてみました!
- 1万円台のエントリーモデル
- ギリ4万円以下のミドルモデル
- 8万円越えのハイエンドモデル
まずは、ゲームプレイ時のPing値を確認。
常時データをモニタリングして数値保存できるソフトウェアが見つからなかったので、ゲームプレイ映像を収録して目視確認してみました。
ざっくり収録した映像を見返してみましたが、3台のゲーミングWi-Fiルーターすべてがだいたい平均10msくらいのPing値。
なので「ほぼほぼ変わらんw」っていうのが、正直な感想です!
というのも、有線接続の場合は、ほぼほぼ回線性能で決まります。
NURO光、auひかり、ドコモ光など、超高速の10G回線を提供している事業者は多々あります。
しかし、提供エリアが限定的なんです。
10G回線は、関東の主要都市や関西や東海などの一部地域でしか使えません。
私のような山奥のもっと山奥に住んでいる方は、どんなに頑張っても1Gの光回線しか使えないんです!
なので、有線接続する場合はWANポートが10Gbpsに対応しているような最強のゲーミングWi-Fiルーターを使っても、もともとの回線が10Gbpsも出てません…。
だから最大1Gbpsの回線で有線接続した場合は、エントリーモデルでもミドルモデルでもハイエンドモデルでも、ほぼほぼ同じような使用感で快適にゲームがプレイできちゃいます!
もちろん、エントリーモデルよりもハイエンドモデルの方がスペックは高いです。
しかし有線接続の場合は、そこまで有意差が感じられませんでした。
とはいえ、1万円台のゲーミングWi-Fiルーターよりも8万円のゲーミングWi-Fiルーターの方が使っていて気分が良かったです!
まとめ:有線ならエントリーモデルでも十分、無線ならハイエンド!だけど…
- 1万円台のエントリーモデル
- ギリ4万円以下のミドルモデル
- 8万円越えのハイエンドモデル
それぞれのゲーミングWi-Fiルーターを使って、比較しながらレビューしました。
実際に使ってみて良かった点と悪かった点は、以下のとおりです。
良かった点 | 悪かった点 |
---|---|
有線接続ならエントリーモデルでも十分 無線接続ならハイエンドモデルが一番強い | 回線弱者には宝の持ち腐れ |
良かった点
良かった点 |
---|
有線接続ならエントリーモデルでも十分 無線接続ならハイエンドモデルが一番強い |
有線接続ならエントリーモデルでも十分
もしも有線接続でゲームがプレイできるならば、高額なゲーミングWi-Fiルーターを購入する必要はほぼほぼ無いですね!
1万円台から8万円台までのWi-Fiルーターを実際に試して感じたネット環境の優先順位は、
- 回線
- 有線接続
- ルーター
の順番になります。
なので、速い回線で有線接続の環境ならば1万円のルーターでも全然問題ないです!
無線接続ならハイエンドモデルが一番強い
有線接続ならエントリーモデルでも全然大丈夫なのですが、無線接続で超快適なネット環境を構築したいのならハイエンドモデルがおすすめです!
ハイエンドモデルであれば、ルーターの設置場所から離れても安定した速い通信速度が確保できますよ。
悪かった点
悪かった点 |
---|
回線弱者には宝の持ち腐れ |
まず一番お伝えしたいのが、回線の重要性です!
ネット環境を快適にしたいのであれば、まずは「ネット回線」の見直しが最重要項目。
「高いルーターを買えば最高のネット環境が手に入る」ということは全くないんです。
ネット回線がゴミであれば、いくら高額なルーターを準備してもまったく意味のないデカいルーターで終わります。
ネット環境を改善する順番としては、
まずはネット回線
次に有線接続
最後がルーター
ということを、ぜひ覚えておいてください!
これらを踏まえて、快適なネット環境を構築してくださいね。
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